映画・読書感想記事は基本的にネタバレです。ご注意ください。

2007年12月09日

『車輪の下』へルマン・ヘッセ

『藍空放浪記』ばかりにかまけてしまって、つまり映画に夢中になってばかりでなかなかこちらに書くことができないでいる。
とはいっても、本を読まないでいるのかというと少し前より余計に読んでいるくらいなのだけど、文章にしようとするにはそれほど考えやら感想やらがまとまってはいないのでついつい書かずじまい。
しかも映画を観てから原作や関係の本を読むことがつい多くなる。

最近ちょぼちょぼ読んでるのはどういうものか『車輪の下』無論少女時代に読んだものではある。
ヘッセは他に『ナルチスとゴルトムント』を読んだくらいでそんなにのめりこんではいない。
『ナルチス』のほうは面白かったが『車輪』はなんだかそれほど感銘を受けたものでもなかった。

20年以上たって読み返して号泣したということはないのだが、やはりその文章のうまさ、ハンス少年の感情表現など惹きこまれて読んでしまった。
勉強漬けになりストレスのたまったハンスが懐かしい自由な頃の思い出のある小さな水車やウサギ小屋を思い切り叩き壊してしまう場面や食べたくもないチョコレートを勧められて捨ててしまう場面、ハンスをいつも優しく見守ってくれるフライク親方を半分軽蔑している彼の心が丹念に描かれている。

寄宿学校では友人ハイルナーの前に脱走しようとして死んでしまった少年の話などが後のハンスの行動に重なって見えてくる。
名作として人の心に残る作品というのはやはり面白いものなのだと改めて感じた。
以前はそうまで感じなかったハンスとハイルナーのキスも少年期の美しい情景として書かれていることにはっとする思いだった。
posted by フェイユイ at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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