映画・読書感想記事は基本的にネタバレです。ご注意ください。

2007年05月09日

「ロリータ」ナボコフ・U

前回書ききれなかった分を少し書き足す。と言うのもこの膨大な情報量の小説のセンテンスごとに感想を書いていては書ききれないがそのくらいしたくなるほど面白いセンテンスが多いからなのだが。

前回書いたことであるが、この小説のポイントはハンバートによる一人称にある。
すべての出来事、考えはハンバートが描いたものでロリータことドロレスの思いはそこに描かれない。
この小説をロリータが書いたらどうなったんだろう、とも思う。そういう試みをした人もいるのだろうか。
だがロリータが書く文章、ということでこの知識の詰め込まれた遊びだらけの文章の醍醐味は失われ、語彙の少ないたどたどしいものとなるだろう。それとも年を重ね落ち着いたドロレスが少女時代を思い出して書くのか。それだと的確かもしれないが、読者の興味は半減してしまうかもしれない。私はそちらの方がいいと思うが少女の痛みの部分は薄れてしまうのはしょうがない(小説としても)

最古の長編小説と言われまた素晴らしい恋愛小説でもある「源氏物語」のヒロインは紫の上である。
彼女と源氏の出会いは現代から見ればロリータの物語と同じに見える。身寄りのない幼い紫を源氏が引き取って育て、少女の時に(結婚と言う形ではあるが)その処女を奪ってしまう(と言ってもいいだろう)
だが作者が女性のためかその後の展開は違ってくる。源氏はずっと紫を妻として最後まで愛する(当時の常として浮気はするが)源氏物語は女性に好かれる小説だが、その辺の違いは当然関わっているはずだ。

そしてこの小説を男が読むか女が読むかでもまったく感想は違うはずだ。小説自体の面白さに感心しながらも反感を持ってしまうのは私が女性であるからで、しかしやはり面白い、という快感と反感が交互に襲ってくるのだ。
男性の欲望が装飾に彩られているとはいえ、巧妙に自己弁護されているとはいえ、正直に表現されていることにも興味は尽きない。

最近タイトルを見たのみだが「テヘランでロリータを読む」と言う本が出版されているようだ。非常に興味をそそられるのだが、まだ読む機会がない。テヘランとロリータという一見つながらない二つを合わせた気になるタイトルである。読んでみたいと思う。

ラベル:ロリコン
posted by フェイユイ at 10:34| 香港 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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